PTA・保護者会の役員が決まらない。後任探しの解決策は『会則変更』
PTA改革を済ませたPTAほど、
次のPTA役員が決まらないジレンマを解消するには?
どうも、りあこです。
今年度も、小学校のPTA本部役員(会計)を引き受けて、
通算5度目か6度目の役員活動真っ最中なんですが、
ここ数年、PTAが任意団体だと広く知れ渡り、
コロナ禍を経て、PTA改革が進んだ学校が増えましたよね。
うちのPTAも、以前は
「子供1人につき役員1回やれ」的な
子供産むほどペナルティ的な謎のブラックPTA役員強制ルールがあったのですが、
数年前に、PTAの行事や委員会活動をバッサバッサと切り捨て
本部役員が数名だけ残る、超スリムな
ホワイトPTAに生まれ変わりました。
だがしかし。
PTAが楽に自由になるほど、
後任探しのハードルは上がるんですね。
なぜなら、役員やらなくても
ペナルティないから(笑)
そこで今回は、
強制的な役員選出の廃止自体が
残った本部役員の首を絞める現実を踏まえた上で、
『PTAの会則』を使った解決策を提案します。
【PTAの後任探し】次の役員探しが難航する理由と背景
まず、強制的な役員選出の廃止自体が
PTA存続の鍵にはならないどころか
「残った本部役員の首を絞める」現実について、整理していきます。
PTA活動の大きな問題として、
『強制的な役員選出』がありますよね。
次の役員が決まらない時、
一般的には、じゃんけんやくじ引きで
無理やり役員を決めているPTAが多いです。
私はこのやり方が大嫌いですし
多くの保護者も疑問や不満を感じてきましたから、
強制的な役員選出をしなくて済むように
様々な工夫や改革を進めているPTAが増えています。
私自身も、次の役員さんが大変な思いをしなくて済むように、
多くの業務やフローを改革してきました。
ですが、悲しい現実として、
昔ながらの役員強制ルールがあるPTAより
PTA改革を済ませて楽に簡素化したPTAの方が、
次の役員決めのハードルは上がります。
なぜなら、
役員をやらなくても、ペナルティはないから。
役員をやらなくても、白い目で見られないから。
不満やトラブルの温床であるPTAが
それでも長年存続してこられたのは、
『強制的な役員選出』があったからなのです。
【PTA改革とPTA廃止】強制的な役員選出を止める2つの選択肢
そして、ここ数年
このPTAの『強制的な役員選出』を
根本的に解決しようと立ち上がる保護者たちが出てきました。
自分たちの代で、PTAの負の連鎖をストップさせたい。
強制的な役員選出をしなくて済むように、PTA自体を変えたい。
この意欲と情熱を持った保護者たちは、
2つの方法を検討します。
①PTA改革(役員活動を楽に簡素化する)
②PTA廃止(PTA自体を解散する)
で、結論から言うと、
PTAを廃止した学校も、いずれは
PTA改革した学校と同じことが起きるのです。
PTAを廃止しても「PTAが復活」する理由
というのも、多くの保護者は、
小中学校や保育園・幼稚園において
PTAや保護者会の役割が重要なことを理解していますし、
理解がなくても、いずれは
理解せざるを得ない状況に追い込まれるからです。
じっさい、PTAを廃止した学校では、
資金やボランティアの不足により
学校行事の運営が成り立たなくなったり、
学校や行政と保護者の連携が欠如することで
問題やトラブルが起きても解決が困難になるなど、
PTAが無いことによる問題や不具合に直面しています。
そして、PTA廃止後の学校では、
問題意識を持った保護者たちが集まり
新たに有志(ボランティア)を募って
PTAを復活させたり、PTAに準ずる活動を始めます。
つまり、PTA改革した学校と同じ状況になるのです。
で、今回の本題に戻ります。
PTA改革を済ませた学校ほど、
次の役員決めのハードルは上がります。
なぜなら、
PTAはあった方がいいけど、
役員はできない(やりたくない)
という保護者が、圧倒的多数だからです。
そして、
役員をやれなくもない保護者でも
意欲と行動力を持った保護者は、
平常時には集まらないから、です。
PTA改革後の楽なPTAほど、次の役員が決まらない。根本的な理由と試行錯誤
自分で言うのもなんですが、私自身も
PTA改革に対する意欲と行動力を持った保護者たちの一人です。
そうでなければ、
PTAのめんどくさい仕事を改善したり、
本部役員として3度も4度も活動したりしません。
ですが、この高い意欲と行動力というのは、
喫緊の課題や理不尽な困難に
直面するからこそ生まれるもの
なんですよね。
『使命感』と言ってもいい。
で、
PTA改革やPTA廃止を進める保護者というのは
この使命感で一気にことを成し遂げますし、
改革に携わった保護者同士は
ともに困難を乗り越え、達成感も味わいますから、
ある意味『戦友』のような深いつながりが生まれます。
だから、PTA改革後の数年は、なんとかなるのです。
自分たちの『ツテ』や知り合いに声を掛けたり、
同じ想いや価値観を持つ保護者を見つけやすいからです。
でも、改革が終わった後のPTAは、
ルーチンワーク(現状維持)がメインとなりますよね。
ルーチンワークに、やる気や情熱を見出す人はあまりいませんし、
まして積極的に役員を引き受けようと考える人はほぼいません。
PTAや役員の仕事が楽になるほど、存在意義が失われ、後任が見つからないジレンマ
強制的な役員選出を廃止したPTAでも、
『本部役員』の仕事は維持されます。
いくらPTA活動をスリム化しても、
本部役員の活動は、地味な割に
そこそこの仕事量(負担)がありますし、
なんとなしプレッシャーもありますから
声掛けをしても、多くの保護者はやりたがりません。
(そして、自分の友人や知り合いに声掛けをしなくては、次の本部役員を見つけられないこと自体も、役員をやりたくない大きな理由になり得ます。)
または、
本部役員の仕事自体を
本気でスリム化したとします。
何もやらなくていい
在籍していればいい
PTA(役員)をやる
デメリットも無ければメリットも特に無い。
・・・これ、やりたいですか?
自分がやる意味のない役員や
自分がいる意味のないPTAを
やってもいいよ~なんて人も、
やっぱりいないんです。
そんなこんなで、
PTA改革を実行してきた役員たちは、
後任探しが、だんだんと苦しくなっていくんです。
いつまでも、自分が穴埋めをしたり
『ツテ(知り合いに声を掛ける)』で
次の役員候補を探すわけにもいきませんし、
そもそも、PTA活動がスリム化するほど、
その存在意義は見えにくく、役員をやる意味も失われていくからです。
もう少し言えば、
従来の強制的なPTAを知っている在校生の保護者と
PTA改革後の任意参加のPTAしか知らない新入学生の保護者では、
意識の差が大きいですし、価値観も全く違いますよね。
「うちの小学校のPTAは楽ですよ~」
なんて言っても、話が通じないんですよ。
だって、新入生の保護者は、
そもそもPTAの必要性を感じていないのですから。
PTA活動を魅力的にすれば、賛同者が増えて、後任が見つかる? 甘いな(笑)
それでも、
高い意識とやる気を持った人であれば、
こう考えるかもしれません。
「PTA活動を充実させたり魅力的にすれば、
賛同者が増えて、後任も見つかるのでは?」
これね、
うちのPTAでもやりましたが、
余計にハードルが上がります(笑)
というのも、
PTA改革後の本部役員は
人数が限られてますからね。
仮に、行事やイベントごとに
役員をやっていない一般保護者から
ボランティアを募るにしても、
そのボランティアの取りまとめは
本部役員がやらなきゃいけないわけです。
新しい活動を始めるための
諸々の準備や手配、資料作成等々
めちゃくちゃ時間と労力を取られます。
家庭は二の次、なんなら本業を差し置いてPTAになりかねない(笑)
そして、当たり前の話ですが、
PTA活動を充実させるほど、
本部役員の『仕事や負担』は増えますから、
後任探しのハードル自体まで上がってしまうのです。
(自ら首を絞めるとも言う)
もちろん、それでも中には
大変さや苦労を理解した上で、
「来年度のPTA本部役員をやってもいいよ」
という大変奇特な素晴らしい候補が
名乗り出てくれることもあります。
これはとてもありがたいことですが、
一種の『賭け』みたいなものです。
次年度の役員は
見つかるかもしれないし、
見つからないかもしれない。
次の役員が見つかるまで
自分が何年もずっと子が卒業するまで
穴埋めをしなきゃいけないかもしれない。
PTAを楽にするほど、魅力的にするほど
本部役員の負担やプレッシャーは増えるばかり。
そんなプレッシャーを抱えながら
やらなくてもいいPTA役員をやるのは、マジ辛い。
で、このジレンマを解消できるような
なんかいい方法はないかな…
と探していたわけですが、
現実的な解決策を見つけました。
PTA後任探しの解決策は、会則に「役員が決まらない」場合のルールを明記する
ここまで、強制的な役員活動を廃止した
PTAの現状と本部役員の苦悩をお話しましたが、
PTA改革後に、次の本部役員が見つからない問題を
現実的に解決する方法としては、
「役員が決まらなかった場合のルール」を
PTAの会則に明記すること
が考えられます。
これは、長年PTA問題を取材している
大塚玲子さんの記事が参考になったのですが、
同PTAでは会長が自分で後任を見つけるのが習わしだが、町屋さんはまだ地元に親しい知り合いがおらず、頼める人が思い当たらない。もし見つかっても、その人も後任探しの懸念から会長を引き受けてくれない可能性がある。
そこで町屋さんは、自身が会長になったら解散のルールを会則に盛り込みたいと考えている。どうしても後任が決まらないときは解散もできるとわかっていれば、頼まれた人が引き受けやすくなると考えられるからだ。あえて解散をしたいわけではないが、「逃げ道」を確保することで候補者の心理的負担を減らすのが狙いだ。
なるほど!
次の役員が決まらない場合のルールを
会則に明記することで『逃げ道』を確保する。
これは、非常に現実的で効果的な方法だなと、
さっそく、うちの本部役員にもシェアしました(^^)
でも、もし、このルールを
うちのPTAの会則に取り入れるなら
解散ではなく『休止』にするかな。
たとえば、
「前年度○月までに、次の本部役員が決定されなかった場合、当年度の役員活動は休止とする。」
みたいな規定ですね。
PTA会則の変更方法としては、
まず、後任が決まらない場合の
規定を追加した会則案を作って、
翌年度のPTA総会で審議→承認をもらう。
翌々年度の役員決めからルールを適用する、って感じですね。
もちろん、
PTA自体を休止するとなると、
PTA会費収入やPTA保険のこと、
行政や学区との関わり、市P連や県P蓮(PTA連絡協議会)など
諸々の手続きや関係性を整理しなくてはなりませんから、
次の役員が見つかるまで
『役員の活動』を休止する
役員活動を再開する際の
ルールも決めておく
と良いでしょうね。
先ほどもお話したように、
PTAを廃止・解散したとしても、いずれは
問題意識を持った保護者たちが集まって
新たに有志(ボランティア)を募って
PTAを復活させたり、PTAに準ずる活動を始めることでしょう。
でも、1から新規に組織を立ち上げるのは、
めちゃくちゃ大変です。
ですから、
次年度の役員が決まらなかった場合の
ルールをPTAの会則に追加するなら、
解散ではなく『役員活動の休止』と表現するほうが、
万一、後任が見つからなくてPTAを休止しても
その後、有志が集まって再開する場合に
手間や準備が少なく済んで良いでしょうね。